好きな小説家は、田口ランディ。
ネットから人気が出た小説家。
ちょっと古い小説家になるけど
今ではかなり有名。
田口ランディを知ったのは
たぶん、25歳くらいだっただろうか。
この1冊を読んでから。
田口ランディの人間洞察力と
恋愛方面の考え方や描き方が好き。
ランディファンは、だいたい
「モザイク」「アンテナ」「コンセント」が好きと言う。
定番とも言える「電波三部作」だ。
だけど私は、「ミッドナイト・コール」が一番好き。
読むタイミングがよかったのもあるかも。
この表紙の女性の目が印象的で読み始めた。
寂しい目をした女性。
今の自分のようだと思ったから。
とっても寂しい夜にこれを読んでしまった。
読んでしまったら余計に寂しくなると思ったら、
妙な安堵感に包まれて
眠れないはずの夜だったのに、
読み終わるとあっさり眠れてしまった。
あれは、恋愛で一番悩んでいた27歳の頃だった。
そんな夜にコレを読んでしまったから
今でも忘れられない夜になってしまった。
この1冊には、8つの物語がある。
どれも好きだけど、一番好きなのが
内容(「BOOK」データベースより)
大好きな男友達としこたま飲んだ夜、雨の中を一人マンションに帰された加津子は、猛烈な怒りを押さえられないでいた。やりきれない傷みとさびしさにまかせ、過去につきあった男たちに次々と無言電話をかける加津子。やがて一年前に婚約解消された高木につながり…(「アカシヤの雨に打たれて」)。自信をもって誰かを好きになるために、本当の自分を探している女性たちを描いた恋愛小説集。
ここで紹介されている加津子の物語。
とっても共感できたし、その頃まさに
過去に付き合っていた男性に電話したい
なんて、思うことが多かった。
会いたいとか未練とかそういう衝動ではなくて
私を見失いそうな頃だったから
私を再確認したかっただけ。
27歳の頃に結婚でもしていれば
そんな衝動にも寂しさにも出会うことはなかったでしょう。
それまでは、いつでも強気だった私が
めずらしく弱気になっていた。
一人でも生きていけるなんて
あれだけはっきり言い張っていたくせに。
ふと、ひとりぼっちを感じてしまう瞬間があって
その寂しさと心細さをどこにぶつけていいのか
わからなくてわからなくて。
そしたら、無性に田口ランディに会いたくなって
この1冊を開いたの。
この時にはじめて孤独と向き合えた。
いい感じで向き合えた。
それが今の私にもつながっている。
孤独な時間をどう過ごせるかで
これからの私が作られていくのだと確信できた。
魅力的な女性になりたいと思い始めたのも
この1冊に出会った頃の話。
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