今年の3月に、高野山金剛峯寺襖絵完成記念 千住博展を見に行ってきました。
千住博さんは、1995年のヴェネツィア・ビエンナーレで名誉賞を受賞された有名な画家。
私が行った展覧会では、主に世界遺産・高野山金剛峯寺に奉納される作品が展示されていました。
その中に「龍神」と言う作品がありました。
これです。
蛍光塗料を上から垂らして作られた瀧の作品。制作風景映像も流れていました。
照明が消えると、蛍光塗料が光って幻想的な作品に変わります。
龍神は、水に関係すると思いますので、まさにこの感じなのかなぁと思いました。
それよりも。
制作風景映像の中で、印象的だった千住博さんのコメントがあります。
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この作品の制作の際に、蛍光塗料を何度も上から垂らしてきたが、一回も思い通りに流れてくれたことがない。
とのこと。
つまり、狙った通りの絵が描けないと言うことです。いくらイメージを描いて、蛍光塗料を上から垂らしてみても、イメージ通りには垂れてくれないのですね。
しかし、イメージ通りではなくても、それはボツにはならないのです。ボツにはしないのですね。
その考え方に、この耳が反応しました。ピクピクと👂
イメージ通りに垂れてくれなかった蛍光塗料を見て、そこからまた新たにイメージを描いて、蛍光塗料を垂らしていくのだそうです。
つまり、イメージ通りでは無い作品を受け入れるのですね。受け入れた上で、新たにイメージを描いていくわけです。
流れのままにと言うのは、まさに、このことではないかと思いました。
イメージ通りではないものを受け入れるのは、すごく勇気がいると思うし、器も必要です。
千住博さんの作品は、世界的にも評価されているので、確かにすばらしいと思いましたが、それよりも千住博さんの器に感動した私でした。
その器、私にもちょっと分けて欲しいです笑。
いや、無理やり、広げます笑。
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